Festina Lente「ゆっくりと急いで」

思いつくと気が急くのに、過ぎれば忘れっぽい わたしが進む軌跡。

わたしは残酷なのか

結婚すると決めて、10年経った

その間、

わたしの仕事でのつまづき、

それによる、病気と療養。

回復へ向かう中での

娘との邂逅。

光の中の子育て。

そこで力を得ての転職、

生まれてきた職業上の悩み。

 

自分の上にいろいろなことがあった。

その中での思いのあれこれ、全てを夫は知らない。

話ができないから。聞いてもらえない。

 

この家を夫は出て、小さな部屋に住むことになった。

その話し合いさえ、十分にできたとは思わない。

何も話さない、時間を掛けても「考えはない」という。

質問を変えて投げかけても、何も返ってこない。

そして、必ず言い争いになる。

「いいかげんにしてくれ」

「言わないでくれ」

「やめてくれ」

そして、捨て台詞のように

「おかしくなりそうだ」「頭がおかしい」

とその場を立ち去られて、終わる。

 

日々の思いを分かち合えないことは、わたしには辛いことだ。

心はそれを求めている。

 

幾人かの人に相談した。

ある人は「追い出すの?」

ある人は「そんなこと、初めから分かっていたよね?」

そう言われると、気持ちがもっと辛くなる。

 

「わたしは残酷なのか」

そうではない、と答えたい自分の問い。

でも、今は分かる。

「わたしは残酷かもしれない、でも自分の人生を諦められない」

覚悟を決め、残酷になるのだ。