Festina Lente「ゆっくりと急いで」

思いつくと気が急くのに、過ぎれば忘れっぽい わたしが進む軌跡。

たどり着きたかった地点に近づいていく

月曜日に、話し合いをした。

夫が最も嫌いとする話し合い、だけれど

少しずつわたしが答えやすい緩やかな質問を重ねて

お互いの意思疎通が進んでいった

 

基本の考え方は「交渉術」について書かれた

知人のブログからヒントを得た

わたしが基本、夫婦関係に採用してこなかった考え方だ

自己主張をいったん引っ込めて相手の立場で考え

自分の許容範囲を提示していく

 

夫の起業に口を出さないでほしいということには、

以前なら「一人の判断で共有財産を動かすのはおかしい!と

全面否定していたと思う

でも、今回 起業をしたい意欲を聞き

なぜ口を出されたくないかを聞き

共有財産であることを確かめた

 

特になぜ口を出されたくないかについては

ずいぶん自分の気持ちを話してくれたと思う

わたしの話し方が、コントロールされる気がすること

自分の思ったようにやりたいからイライラすること

夫が自分で話した

想像はしていたけど、本人の口から聞くのはずいぶん違う

 

わたしの聞き方がとても大切だと、改めて感じた

ほんの少しずつでいいから、よりよくしていこう

 

 

 

パパは何でも知らないって言う

今日、娘がお風呂で言った

「パパは何でも『知らない』って言う」

毛糸はなんでできているのか

リモコンはなんでできているのか

 

うんうん、わかるよ。

 

娘には

「知らないって言われたら、『一緒に携帯で調べよう』って言ったら?」と

答えた

夫には、何て言おうか

わたしは残酷なのか

結婚すると決めて、10年経った

その間、

わたしの仕事でのつまづき、

それによる、病気と療養。

回復へ向かう中での

娘との邂逅。

光の中の子育て。

そこで力を得ての転職、

生まれてきた職業上の悩み。

 

自分の上にいろいろなことがあった。

その中での思いのあれこれ、全てを夫は知らない。

話ができないから。聞いてもらえない。

 

この家を夫は出て、小さな部屋に住むことになった。

その話し合いさえ、十分にできたとは思わない。

何も話さない、時間を掛けても「考えはない」という。

質問を変えて投げかけても、何も返ってこない。

そして、必ず言い争いになる。

「いいかげんにしてくれ」

「言わないでくれ」

「やめてくれ」

そして、捨て台詞のように

「おかしくなりそうだ」「頭がおかしい」

とその場を立ち去られて、終わる。

 

日々の思いを分かち合えないことは、わたしには辛いことだ。

心はそれを求めている。

 

幾人かの人に相談した。

ある人は「追い出すの?」

ある人は「そんなこと、初めから分かっていたよね?」

そう言われると、気持ちがもっと辛くなる。

 

「わたしは残酷なのか」

そうではない、と答えたい自分の問い。

でも、今は分かる。

「わたしは残酷かもしれない、でも自分の人生を諦められない」

覚悟を決め、残酷になるのだ。

 

3月になって

ゆっくりと、船が遠ざかるように 距離が離れていく

波立つ気持ちもあるが、じたばたしない

むしろ、今この時の自分の心をよく見ておくこと

必要と思わなくても、記録しておくと、よい

 

過去の約束や縛りよりも、いつだって今の心が優先する

矯めないで、正直に進んでいく

少しずつしか捨てられない

ばっさり、

びっくりするくらい、

ぜんぜんちがうふうに

変わりたい。

 

家の中を少しの物にしたい。

それが難しい。

 

残り時間はそんなに多くない。

心のはじっこが、焦げるような気持ちになる。

でも思いっきり捨てられない。

仕方ないから、少しずつ捨てるしかない。