Festina Lente「ゆっくりと急いで」

思いつくと気が急くのに、過ぎれば忘れっぽい わたしが進む軌跡。

北海道の地震 わたしの場合

4つの娘を寝かしつけつつ寝落ちして目覚め、また眠り。

地震がきました。
 マンション6階でもかなりの揺れにベッドの上で動けず…娘を強く抱きかかえるだけでした。
でも、寝たのが遅かったせいもあって、すぐにまた眠りに落ち、(肉体労働なのでw)
次に目覚めたのは5時でした。
 
起床してみると電気、水道が使えない。(ガスは大丈夫でした。)
ベランダから外を見ると信号がついていない。
すぐ財布を掴み、キャリーバッグを引いて近隣の店を順に回りました。
目の前の24時間スーパーは開いておらず、周辺に何軒かあるコンビニも暗い。
ようやく見つけたローソンで500mLの水をたくさん買って帰宅。
 
キャリーからペットボトルが見えている私に、道行く知らない男性が
「開いている店ありましたか?どこですか?」と尋ねました。
答えると
「ありがとうございます。…いや、本当にありがとう!」
と駆けて行きました。
普段ならないことで、常ならぬ状況を感じました。
 
帰って、ひとり部屋の中でそわそわと落ち着かず、一日をシュミレーション。
幸い、ネットスーパー(西友)から食品が届いたばかりで
冷蔵庫内は充実。
ガスが使えるから調理には困らなそう。
でも、ヘルシオもホットクックも使えなーい!!
久しぶりにテフロン加工の鍋や、ヤカンを取り出す。
オール電化にしちゃえと思ってたけどこういう状況だとガスはありがたい。
 
ガス!
そうだ、今の季節でまだ良かった…
ここ札幌では、冬だと暖房は死活問題。
ウチはガスヒーターですが、電気がきていないと動きません。
床暖房も同じ。
 
そんなこと考えながら久しぶりにガスでお湯を沸かしてコーヒーを淹れる。
 
地下の戸別物置には、マンションに住居を決めた時から
「灯油ストーブ」が置いてあります。
ここ20年近く一度も使っていないけれど、これを機会にメンテナンスしておこう。
灯油があればなんとか暖がとれます。
マンションの管理規則では、使用禁止ですが停電となればいたしかたないよね。
 
 
日中には、水の手当にマンション内を駆け回ったりもしましたが
部屋にもどってWi-Fiなし、携帯も控えてと、時間を持て余す。(!!)
いつも時間に追われているので、ちょっと旅の最中のような幸せな気分。
 
時間がないことを言い訳に、断捨離しきれない
アナログな本棚整理をしました。
充実感がありました。
 
さらに部屋の片付けに手をつけ、
手書きのsnail-mailも。
こちらは約1年ぶりかもしれません。
 
 
夜になって、寝かしつけのため床につく直前、
 4つの娘といつものように寝る前のチェックリストをしていると
車から物を取りに駐車場に降りていった夫が戻って
「驚いた…駐車場で知らない人にどうしてここだけ電気がついてるんですか?と聞かれた。」と。
ベランダに出ると、確かに辺りは闇。
我が家は夕方に電気が戻っているのです。なぜでしょうか。
 
この辺は近隣商業地域であり、いつもは商業ビルのネオンが光り、マンション群も灯りを漏らしています。
それが、漆黒の闇。
遠い山の方へ目をやり、顎を上げていくとすごい星空!
わたしの弱い視力でもよく見えるたくさんの星たち。
思わず歓声をあげてしまいました。
娘を抱いて出て示すと、大喜び。
「おほしさま、いっぱ〜い!」と数え始め、いっしょにキラキラ星を歌いました。
 
大好きな「停電の夜に」(ジュンパ・ラヒリ)を思い出してみたり
 
何かのコラムで読んだ、大規模な停電があった10ヶ月後に
たくさんの赤ちゃんが産まれた、ということを考えてみたり
 
災害の中ではありますが、ちょっといつもと違った時間を過ごしました。